Pianist 田村真穂 Official Website!!

ピアニスト田村真穂の公式ブログ。
好評を頂いておりました「mahopooパリ通信」の続編となります。日々邁進する私の記録、コンサート情報などを掲載します。
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春の歓び
風薫る5月
山笑う、優しい桜の季節は去り、みずみずしい生命力が草木に宿っています。

吹き抜けていく風は、爽やかな緑色。

輝く青空を見上げれば、心は宙に舞い上がる。

一年を通して一番大好きな季節。

我が家の庭が、最も美しく輝くのもこの時期です。

いたるところに美しい花々が咲き乱れ、緑は萌えています。

とりわけ美しいのは朝の庭。こんな朝には、世界が好きで好きでたまらないという気がします。




上品な紫蘭、知的な十二単、寄り添うような二人静、斑入りの鳴子百合、小さな鐘のスズラン、真っ白な立波草、鈴なりの小手毬など、母が好きな可憐で奥ゆかしい山野草たちや、

ピンクと白のコントラストが美しいつつじ、淡い黄色のモッコウバラ、小振りの真っ白なマーガレットも、ぎっしりと咲いて葉がみえないくらいです。

裏庭の葡萄棚の青い新芽は、初夏の香りを運んでくるよう。

ギボウシたちも勢いよく生え、そのみずみずしい葉に溢れんばかりの生命力を湛えています。

「初恋薊(はつこいあざみ)」。5月の誕生色、凛とした濃い紫のアザミの花ももうすぐ。



田井さんの薔薇もいっせいに,踊り歌い始めました。

父がみごとに学校の南側に這わせてくれた蔓薔薇。原種に近い花の純白が、初夏の光に反射する、その可憐な様子は初々しいバレリーナたちのようです。

「ノクターン」や、「エチュード」、「ショパン」。音楽の名前のついた鉢の薔薇たちも、ピンクにオレンジ、白に真紅、その表情はなんて豊かなのでしょう!



秋にはたわわに実をつけてくれる柿の木の葉は「柿若葉」。青葉の中でもとりわけ美しく、柔らかな葉は2枚も3枚も重なっているのに、なお光を透してきらきらと輝いています。

柿若葉 重なりもして 透く緑 

母が毎年歌う、富安風生の句。



私にも、この時期いつも思い出す漢詩があります。

石梁 茅屋 彎碕あり
流水濺濺として 両陂をわたる
晴日 暖風 麦気を生ず
緑陰幽草 花時に勝れり

新緑の美しさは、花どきの春よりめでたく感じられる…。王安石の詩。

そして、もうひとつ思い出す歌は、
べートーヴェン「フィデリオ」の第2幕15曲、レオノーレとフロレスタンが再会を喜び合う歓喜の二重唱。
これも待って待って、ようやく訪れた春。

私が、初めて字幕翻訳を任された、2008年ウィーン国立歌劇場 日本公演の時のあの音が、
草花がいっせいに芽吹くこの季節、高らかに私の中に響き渡るのです。

ドイツに暮らし、日本とは違う、寒く暗く閉ざされた長い冬からいっせいに春になる喜びを、肌で感じました。
この二重唱はあの喜び。希望に溢れ、胸躍る春の訪れです。



夢のような美しい庭に、うっとりと中国の詩を口ずさみ、胸の中では高らかにオペラが流れ、あぁ、なんと幸せなことでしょう。

今日もうっとりとしていたら、花がら摘みをしてくれていた父が、
「ここ、ちょっと掃いといてね。」と言って向こうへ行った。
暇そうに見えたらしい。
うっとりしてたんだけどな。

ええ!もちろん掃くくらい、喜んでさせていただきますわ。

でも、そういえば……。
知らないなぁ。
……。

箒って、どこにあるんだろう?
「おとうさーん!!」



















10:17 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
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