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好評を頂いておりました「mahopooパリ通信」の続編となります。日々邁進する私の記録、コンサート情報などを掲載します。
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セロ弾きのゴーシュ

 全5回に渡ってセミナーを持たせていただいています、「親と子の音楽サロン」、1月15日、第一回目で、「セロ弾きのゴーシュ」を取り上げました。このお話に音楽をつけ、紙芝居で読みながら演奏しました。セミナーでは「トイ」ではない、ピアノで演奏です。

旅に出るときに持つ本は何ですか? 
私はいつも「銀河鉄道の夜」です。

私の妹は、お付き合いをしている読書好きな彼に、「答えが難しいかもしれないけど、あえて、一番大好きな作家は誰?と聞かれたら誰ですか?」とたずね、「宮澤賢治かな」と答えた素敵な男性と結婚しました。

私も、宮澤賢治を好きな人は、アンシャーリーの言うところの、キンドレッドなような気がしてしまいます。


さて、今回取り上げた、皆に愛されている「セロ弾きのゴーシュ」、実はすごく深いお話だと思うんです。このお話の奥底では、賢治の宇宙観が語られているように思います。ベースにあるのは法華経の宗教観でしょうか。

一人の未熟な音楽家の男が、毎晩変わりばんこに訪ねてくる動物たちから教えられ、わずか1週間足らずで聞き手にイメージをわかせる演奏技術を身につけ、すばらしい演奏をするお話ですが、

これを書いたとき、賢治が病床にあったからよけいにでしょうか、最後、皆に絶賛されたゴーシュのことを、楽長がこう言います。「いや、からだが丈夫だからできたのだ。普通の人間なら死んでいる。」この言葉、自分の創り出す世界に聞き手を引き込んでいく表現力を身につけることがいかに難しいことか、賢治はよく知っていたのだと思います。


賢治の言葉に

「正しく強く生きるとは 銀河系を自らの中に意識して これに応じて行くことである。」

「せかいがぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はありえない。」

があります。

生き物、森、鉱石、星、風、水、森羅万象みな兄弟であり、生き物全ての幸せを求めなければ、個人の本当の幸福はありえない。

宇宙、銀河系の地球の中でのちっちゃな生命体でしかない自分。そのことを常に意識して、共生の精神を持ち、感謝し、謙虚でいなければならない。そうすれば、自らの身体と心の内なる声を聞くことができ、自分らしく生きていくことができる。

森羅万象、美しい自然の音が、音楽に表されていること、その音楽から、たくさんの銀河系の美しいつぶやきを聞くことができること、音楽=自然 ということを賢治はよく知っていたから、クラシック音楽が大好きだったのではないでしょうか。

相手は生半可じゃないこと。謙虚に、尊敬し、そして心身真っ向真剣勝負で臨まないと、やられること。そして、心から感謝し、共生できたとき、はじめて自らの内なる声が聞こえ、素晴らしいこの上ない喜びをもらえるのだということも。


私は、「親と子の音楽サロン」で、難しいとわかっていて、これらの賢治の精神そのものが表されたこの本を選びました。

子供こそ、理解し感じることができると思ったから。銀河系のどこかからやってきてまだ間のない、新鮮な、小さな生命体である子供の頭の中には、大人の何百倍もの広い宇宙が、無限の宇宙が広がっていると思うから。


これまで愚かな大人たちがしてきたことを地球に謝って、これから世界を立て直していかなければいけない子供たちに…。

13:39 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
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