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好評を頂いておりました「mahopooパリ通信」の続編となります。日々邁進する私の記録、コンサート情報などを掲載します。
第5回 こどもたちへの音楽会

第5回 こどもたちへの音楽会 

〜ピアノ名曲アルバムと 音楽劇「長ぐつをはいたねこ」

二日に渡り開催された公演は、今年も大盛況のうちに終わりました。

大好評につき、年々観客は増え、会場は連日、華やかな親子連れで埋め尽くされました。

 

 

「第一部」は、私のソロ。ピアノ名曲アルバムです。

 

今回も、小さなお子さんでも楽しめるプログラム構成。

バッハからショパンまで、曲と曲の間でおしゃべりをしながらの進行です。

 

小さな皆さんも、とても静かに聞いてくれています。

たまに、ちょっとだけおしゃべりしちゃう子供さんには、近くの大人たちが「シーッ」と注意します。「クラシック音楽は、こうして聞くものなのよ。」マナーもお勉強。

 

ドイツの子どもたちが驚くほど静かだったことを思い出します。毎年の公演は「聞く土壌」を育てる作業でもあります。

 

 

 

「第二部」は、四国学院大学の学生さんたちとの音楽劇。

 

「くるみ割り人形」→「白雪姫」ときて、さあ!今回は何にする?から始まった今回の新作は「長ぐつをはいたねこ」。

西村和宏さんと阪本麻耶さんによる演出•振付によって、プロとしか思えない高いレベルの学生たち。

 

作る流れはこんなかんじです。

まず、傑作な西村さんの台本を読み、曲を選びます。選んだ曲を演奏し、その音に麻耶さんが動きをつけます。その秀逸な振りがついた役者たちの動きに合わせて演奏。動きはまたどんどん変わっていき…。音楽と演劇とダンスが一体化して境目がなくなっていくのを目指します。

 

今回は、プロコフィエフをメインに。ソナタは、6、7、8番、「3つのオレンジへの恋」などから、たくさん弾きました。

知らないうちに、幼児もプロコフィエフに出会っている!という狙いがここにあります。

 

一体となった会場は爆笑の渦。

 

 

 

今回の公演も大成功。

 

 

 

 

次回をお楽しみに♪

 

 

        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

13:23 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
音楽劇「白雪姫と7人のこびと」 

四国学院大学 ノトススタジオ

「音楽劇 白雪姫」が終わりました。

 

そうです!

前回、丸亀生涯学習センターでの公演の反響があまりにも大きく、もう一度観たいという皆さんからの多くの声から、今回の再演となりました。

両日とも前売り券は完売。当日券はキャンセル待ちと、今回も大盛況。

 

前回とはキャストも少しずつ変わり、さらにイキイキしたものになって再登場。

 

演劇の紀元は古代ギリシャの呪術だったことが思い出されるお妃さまの迫真の演技。

動物などのものまねを見て楽しむ者が生まれた、これも演劇の紀元。カラフルな衣装に身を包む7人のこびと、ナレーションを兼ねる愛らしい小鳥、鈍重なイノシシ、神秘敵な声は鏡の精、青森弁のユーモア溢れる狩人、そして可憐な白雪姫に美しい王子、皆みんなエネルギッシュでフレッシュ、愛嬌たっぷり、なんとも魅力的です。

 

皆を活かしているのは演出家、西村和宏さんと、振り付けの阪本麻郁さん。私はいつも、お二人の感性の豊かさ、柔らかく鋭敏な感覚に驚きと感動を頂きます。

若くフレッシュな学生たちをのびやかに動かせる空気の中で、的確な指示が飛びます。

 

演劇は、総合芸術。演技、舞台美術、照明、音響、舞踊、音楽。私は、今回もこの舞台で音楽を一手に担うピアニスト。アイデアを出し合い一緒に考えた選曲、動きを見ながら、効果音を兼ねる音楽も即興で差し込みながらの進行です。舞台は生き物、想定外もいっぱい。でも、そこが舞台の醍醐味。

 

 

演劇とは、平安時代の客席が芝生だったことに由来し、芝居とも言われます。総合芸術の中に「劇場内空間」の項目もあるとすれば、ノトススタジオは理想的な芝居小屋。演劇作品は観客によって作られると言いますが、舞台と客席の隔たりがなく、俳優と観客、お互いに呼吸が感じられる一体感は最高です。

 

 

稽古の日のこと。

カーテンコールは、美しいお顔の、背の高い王子様がピアノのところに来てすっと手を出し、私を舞台中央にエスコートしてくれます。手を取られたまま笑顔でおじぎをし、共に優雅に舞台袖に引っ込む。

 

ふんふん。流れはわかった。慣れてるわ。

 

「では、カーテンコールの稽古いきます。」

 

「はい!すみません!真穂さん、王子様にエスコートされて退場してください。」

 

「?(そのとおりに退場したと思う。)」

 

「王子が真穂さんの後をついていかないように!」

 

「…。」

 

なんということでしょう。私は、無意識に、笑顔で王子様の手を引っ張って退場していたのでした。

 

チーン

 

 

本番は、正しくエスコートされて退場することができました。(と思います。)

(画  観に来てくれてお妃様がこわくて泣いた四歳の甥)

(注釈 右端はピアノをひくまほちゃん) 私どこ?

 

 

 

この度も、かけがえのない素晴らしい時を頂きました。

 

四国学院大学の皆さん、歌ってくれた高畑さん、大森さん、この公演に携わってくださったすべての皆さん、そして、支えてくれた家族に感謝です。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15:30 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
第4回こどものための音楽会

JUGEMテーマ:クラシック音楽

 

第4回こどものための音楽会が終わりました。

 

大好評につき、年々お客さんが増え、今回は2回公演で両日とも大盛況。

 

第1部は、私のソロで、クラシックピアノ名曲アルバム。

 

小さなこどもたちが、喜んで聞いてくれるように工夫したプログラム。

こどもの集中力を考え、短い曲ばかりを、できるだけわかりやすい明るいおしゃべりで繋いでいます。

決して媚びるのではなく、もちろん最上級の、とびきり素敵な演奏をしなくてはなりません。

 

心の柔らかなこどもたちが、目を輝かせ、耳を澄ませ、わくわくドキドキしながら一生懸命に聞いてくれる喜びに感謝しながら。

 

舞台中央ピアノの両サイド、観ても美しい桐の反響板は、館長さんの手作りです。進化して、さらに良い響きになりました。

 

 

 Photo by H.Taki

 

 

第2部は、音楽劇「白雪姫」。

 

私のピアノと四国学院の演劇科の学生さんたちによる音楽劇です。

 

演出の西村さんと振り付けの阪本さん、才能溢れるお二人と、今年はどんな演目でいこう? からスタートしました。

 

お妃様が嫉妬に狂って踊るシーンは、激しいプロコフィエフを弾きましょう。など、音と芝居が呼応するように作ります。暗い森を歩くシーンは、不安で美しいバルトーク。最後のワルツは、明るくおしゃれなシュトラウス。できるだけ本格的なものを聞かせたい。でも、小さな子供たちが「白雪姫を観に来たのに「ハイホー」がなかったね。」って、がっかりしたらいけないから「ハイホー」は入れましょうか。

こうして作っていく作業は、とても楽しかったです。

 

インタラクティブで、ユーモアと愛がいっぱいの演出と、鋭く繊細な感覚によってつけられた素晴らしい振り付け。俳優たちは、瑞々しく伸びやか。ハイレベルな舞台に引き込まれ、魅せられます。

 

七人の小人のテーブルや椅子は、節のある桜の木でできていて、なんとも愛らしく自然で、まるで舞台から生えているみたい。可愛らしく味わい深い小道具は、何と、ここでも館長さんの手作りです。

 

Photo by H.Taki

 

 

 

「丸亀はいいね。毎年こんな音楽会があって。」

「いいでしょ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

16:19 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
「第3回こどもたちへの音楽会」 終わりました

毎年の「ぴあのとうたとおぺれった」は、2015年12月27日「第3回こどもたちへの音楽会」として開催されました。

第1部は、私のソロ。
第2部は、「くるみ割り人形」。私とチェロ、ヴァイオリンのアンサンブルと、四国学院の演劇科の皆さんによる音楽劇。ケルンで勉強されたバレエの阪本麻耶先生による振り付けと、西村和宏先生演出による、18、19歳の若さ弾けるフレッシュな舞台でした。



このシリーズ、回を重ねる毎にお客さんが増え、今年は満席どころか、補助席や立ち見も出る大盛況。

会場は、1歳、2歳を抱っこしたママたちや、素敵なおじいちゃんおばあちゃん、おしゃれした小さなレディや紳士たちでいっぱいです。



開演が近づき、出番を待つ私は舞台袖に。

客席から、期待と興奮が伝わってきます。

やがて客電が落ち、舞台が白く明るくなると、ステージへ。満場の拍手で迎えられ、舞台中央のピアノまで歩いて行く。

会場からエネルギーをもらう。

何もかも忘れて弾く。

流れるように身体が動く。

ステージの上のほうから、弾いている自分を見降ろし、自分をコントロールする。

ピアノと身体は完全に一体化し、指が鍵盤に吸い付いていく。

無心に弾く。

音にどんどんインスピレーションをもらう。

作曲家と対話する。

神様と話しをする。


Photo by Hiromichi TAKI


幸せ。。

この瞬間を、私は幾度、体験して来たでしょう。



いつものように手作りの反響板で素晴らしい舞台を作ってくださった学習センターの館長さん、お世話してくださった皆さん、共演者の皆さん、そして、


家族にありがとう。







 

07:09 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
香川県立ミュージアムでのコンサートが終わりました!
11月15日、快晴。香川県立美術館でのコンサートが終わりました。

澄み切った空に、爽やかな秋風の吹く日曜日。

また、本当にたくさんのお客様がいらしてくださいました。


もともとは、従来どおり、2階の図書コーナーで演奏する予定だったのですが、その場所は絨毯敷。

なんとか、石の1階エントランスロビーで弾かせて頂けないかと、わがままにも直談判。

彫刻などの作品を展示してある関係上、セキュリティー面を考えるとロビーでは難しいとの回答でしたが、無理は承知の上で「何より音が大切なんです。」と熱く訴えること数日。

芸術を解する美術館の皆さんに、想いが通じました。

無理を圧してくださり、晴れて、前代未聞のロビー演奏が実現したのです。

嬉しかった…。


さあ!初めての場所でどうなるのか。私は作品に囲まれて弾くことになります。

美術館の皆さんは、安全上、会場設営その他、いろいろな面で、きっととても大変だったことと思いますが、本当に本当によくしてくださいました。

それから、四方、石に反響するのをどう調整するのか。お忙しい中、調律に何度も何度も訪れてくださったのは蒲生さん。その腕は、見事の一言でした。


この度も、皆さんのおかげで、喜んで頂けるコンサートになりました。


大好きな小林萬吾、藤川勇造、猪熊源一郎ら、県出身の芸術家たちの作品の納められる立派な美術館で、あのようにあたたかな演奏会をさせて頂けた私は、間違いなく世界一幸せなピアニストです。


ずっと応援してくれている家族、周囲の人々、コンサートに足をお運びくださったすべての皆様に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。


















 
JUGEMテーマ:クラシック音楽
13:02 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
ニューオータニ終わりました
8月25日、秋の風を感じる東京、赤坂ホテルニューオータニでの「早稲田大学 SFM研究会 納涼会」での演奏が無事に終わりました。

「SFM研究会」は、来年で40周年を迎える歴史のある会で、早稲田大学名誉教授の田中由多加先生を会長に、人間的にも社会的にも立派な方々が集ってお勉強をし合う会です。
私は、もう10年以上昔から、私一人だけなんとなく浮いている感が否めないも、皆さんに特別にあたたかく迎えて頂いており、これまで、早稲田大学で開かれている月一回のお勉強会に、可能な限り参加させて頂いてまいりました。

魅力的な皆さんと交わり、様々な分野での第一線で働く人たちの講演を有り難く拝聴し、これまで幾度となく貴重な出会いの機会を得、ずっと大きな大きな学びを頂いてまいりました。

今回は、納涼会。

94歳で若々しくご健在の田中先生も、国会議員の小川敏夫さんも、パリを拠点に活躍なさっておられる造形作家の佐藤達さんも、それからそれから、、。素晴らしい皆さんが集まって、笑顔、笑顔。笑った顔がいっぱいの、あたたかくて楽しい会です。

メンバーである日本舞踊家の藤間信子さん、ジャズシンガーの三条アンナさんは流石の一言。いろんな意味でお手本にさせて頂きたいお二人と並んで出演させていただきました。

立派な皆さんの中で、こうして豊かにしてもらってきたことをあらためて振り返っていて、

ベトナムの禅僧ティク•ナット•ハンの言葉

「 その足で 大地に口づけするかのように 歩きたい 」

を思い出しました。

これからも精進を怠らず前進していきたい。ドンドンと大地を踏みつけ進むのではなく、真摯に感謝をこめ、謙虚に歩いていけたら…。

大地のおもてに平和と静寂を返して、愛を分かち合う。そんなふうに歩いて行きたい。


いっぱいの感謝の気持ちの中で、そんなことを思いました。






次は、11月15日、香川県立美術館でのコンサート。

あ!その前に、バルセロナだった。












 
09:45 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
偕行社コンサート終わりました!
6月21日、偕行社(←HPにとびます)でのコンサートが無事、大盛況のうちに終わりました。

今回は、NPO法人「楽しいひととき出前どころ」から、素敵なギターとパントマイムもご一緒に。お越し頂いた皆様には、「楽しいひととき」を過ごして頂けたのではと思っております。

「楽しいひととき出前どころ」と「田村真穂 後援会 東京事務所」の協力で実現したコンサートは、なんと、ワンコイン500円で、ケーキと珈琲付き。偕行社カフェから、美味しい珈琲と、ミントや生クリームをあしらったチョコレートシフォンのケーキセットを提供して頂きました。

重要文化財、趣のある素敵な空間でゆっくり過ごす午後。お茶しに行くだけでもいいのにコンサートまで…。の声をたくさんお寄せ頂きました。

東京からも大勢応援に駆けつけてくださり、あたたかい聴衆の皆さんとともに過ごせた午後のコンサート。私は世界一幸せなピアニストでした。

Une rencontre,une occasion. La chance de la vie.

心から感謝申し上げます。皆様ありがとうございました。





次は、8月の赤坂ニューオータニです。






 
19:56 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
世界を繋ぐ芸術 〜洋の東西 アジアの隣国 過去と現在
 
客話

日頃、学校や公民館などで、講演のようなことをさせて頂く機会がありますが、今回は、私を国際親善大使としてフランスに留学させてくださったロータリークラブから呼んで頂き、約30分のお話をさせて頂いてまいりました。

以下は、拙話の全文です。

世界を繋ぐ芸術 〜洋の東西 アジアの隣国 過去と現在」     2015.4.30   ピアニスト田村真穂
 
本日は素晴らしい機会をありがとうございます。こうして皆様の前でお話させて頂きますのは、2013年6月9日、創立50周年記念祝賀会のとき以来です。皆様には、国際親善大使として渡仏させて頂いてから今日まで、本当に長い間支えていただいてまいりました。心からの感謝の気持ちを込めて、今日は、自分がどのように考えて活動しているかというようなことを中心にお話させていただきたいと思っています。
 
1、復興支援コンサート
先日25日に起きた、ネパール沖地震。被害にあわれた多くの方々に謹んで哀悼の意を捧げたいと思います。私は、阪神淡路大震災の時、偶然、演奏会で訪れていた西の宮で被災し、九死に一生を得ました。タンスとタンスの間にできた谷間で、私だけが無傷でした。この毎日は奇跡の連続。いつどうなるかわからない。「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬと思えば」親鸞の歌をまた思い出し、日々感謝して大切に生きなければと、改めて考える機会でした。
ロータリークラブの基本理念「ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として、奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。」ロータリアン一人一人が、個人として、社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること。
何か私にもできることはないだろうかと考え、復興支援コンサートを企画し行いました。その後に起こったハイチ沖地震の時も。これら復興支援コンサートでの収益は、すべて現地にお送り致しました。
 
2、子供の教育 〜THE WHOLE MAN「全人教育」
ロータリークラブの基本理念の第2、「職業上の高い倫理基準を持ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会として、各自の職業を高潔なものとすること。」
私は、演奏活動と同時に「田村ピアノ学校」を運営し、THE WHOLE MAN「全人教育」をモットーに、現在たくさんの生徒さんと一緒にお勉強しています。教育の目的は、人間文化の6つの要素、「学問」「道徳」「芸術」「宗教」「身体」「生活」について、それぞれの理想である「真」「善」「美」「健」「富」をそなえた調和のある人格を育むべきである。そう。知能、技能ばかりに偏ることなく、感性、道徳の心なども重視して、人間を調和的、全面的に発達させなくてはならないのです。国を作るのは、結局、人。その国に住む一人一人がどういう人であるかが、その国の価値と将来を決める。「教育が人を作り、人が国を作り、世界を作る。」と小原国芳先生の仰るように、私も、教育は、人生の最もだいじな仕事のひとつであると思っています。
音楽を学ぶ生徒さんたちが皆、鳥や花、木々の緑など美しい自然を鋭敏に感じ愛することのできる人であってくれたらいいな…。学校の周囲には美しい薔薇が咲き乱れるようになど、季節毎の美しいお庭を維持しています。両親が(笑)。他には、月毎に詩を掲示しており、ちなみに5月は黒田三郎の「紙風船」。「落ちてきたら 今度は もっと高く もっともっと高く 何度でも 打ちあげよう 美しい 願いごとのように」と、音楽的でとても美しい詩ですが、論語や漢詩の月もあって、生徒さんたちが大人になった時に、「これ、ピアノ学校で子供の時に読んだなぁ。」と、記憶の片隅に引っかかってくれたらいいなと思い、ずっと続けています。
 
3、子供のためのコンサート
2012年より毎年「子供のためのコンサート〜ぴあのとうたとおぺれった」を開催しており、おかげさまで好評で、回を重ねる毎に大盛況になっております。
「このたび1歳から入場できる本格的なクラシックコンサートが実現します!ショパン作曲の「子犬のワルツ」や、ムソルグスキーの「蚤の歌」など、正統派クラシックながら心を捉えて放さない、短く楽しい曲目が、一流の演奏家の手に委ねられれば、そこは夢の世界。乳幼児も飽きさせない本物の演奏が、絶妙な楽しいトークで綴られるコンサートです。ピアニストの田村真穂さんは、国際的に活躍している県出身のアーティスト。第3部には、楽しいオペレッタも上演されます。オペレッタを初体験できるコンサートです!」(NHK紹介文)
この回は、日曜、隔週で持っている「ピアニストとリトミック」というセミナーの一環で、第3部のオペレッタに出演する子供たちを一斉募集し、子供たちの指導、演出をするという大役を与りました。できるかなと不安でしたが、できないと思ったことをやってみようとお引き受けし、約10年間に渡って勤めてまいりました来日オペラの現場でのスキルも総動員。どうしたら子供たちが光るか苦心惨憺、演出し、ひと月ほど稽古を積みました。当日は、ピアノのソロに、2部の歌のステージの伴奏も務め、第3部にはオペレッタのピアノを弾いて、ナレーションまで担当し、ばたばたと大活躍?なんとか成功裏に終えることができましたが、いつもこのように家族や周囲の方々に助けられ、幸せに素敵な冒険をさせて頂いております。
 
4、古典について
クラシック音楽は、文字どおり「古典音楽」です。「温故知新。歴史を知ることは、今を生きることと同じ。」音楽、美術、能、文楽、歌舞伎、建物、ずっと愛され残ってきたものは、歳月に朽ちないどころかますます輝きを増し、時空を超えて多くのことを教えてくれます。
汲めども尽きない泉。古典をいだき、古典に抱かれ、私の選んだ生涯の研究テーマは、クラシック音楽。演奏する場所も、歴史的建造物が不思議に多く、…お手元のチラシでご案内のコンサート(2015年6月21日(日)14時開演)も、場所は、善通寺、偕行社です。陸軍第11師団の将校たちの社交場として明治36年に竣工し、戦後はアメリカ軍が進駐したり、…歴史の証人みたい!重要文化財なのに開放され、市民に愛され親しまれている建物ですね。歴史に触れる喜び。この場所で、どんな人がどんな気持ちでどんなことを行っていたのか、歴史的建造物はいつもわくわく致します。ヨーロッパは、多くが美しい歴史的建造物ですし、国内でも、例えばこの間も「貨幣博物館」を訪ね、ネオバロック様式の荘重な日銀本店に圧倒されました。古く美しい建物は、入った瞬間それぞれの時代にふわっとタイムスリップさせてくれるような気がしませんか?6月21日には、美しい楷行社で、悠久の歴史に思いを馳せ、心をこめて演奏したいと思っておりますので、皆様お誘い合わせの上、是非お越し下さいませ。
 
5、絵画と音楽
私は、どんなに忙しくても1ヶ月に1週間は東京に行くことをライフワークと致しております。少しでもよい演奏をしていく為、よいものに触れなければと、講演会や勉強会に参加したり、美術館巡りをしたりすることを目的として上京しています。ルーブルやオルセー、ピカソ美術館、ミラノ、ベルリン国立美術館、ウィーン美術史美術館、フェルメールの絵を観るためだけにマウリッツハイス美術館を訪れたり、これまでたくさんの絵を観て参りました。帰国後は、飢えたように浮世絵や日本画、仏像や伝統工芸品、国宝など見て回りましたし、先日は、企画展で「ターナー」や「ホイッスラー」、「ホドラー」なども観てきました。
美術館でコンサートの機会も多く、例えば「猪熊美術館」、一昨年は「高松市立美術館」。昨年は「東山魁夷せとうち美術館」で。今年の秋には「香川県立美術館」で開催の予定です。
優れた絵画からは音楽が聞こえる。…ドビュッシーは、葛飾北斎の「富嶽三十六景」の「神奈川県沖浪裏」を観て、交響詩「海」を作りました。フランツ・リストは、ブリューゲルの「死の勝利」を観て、「死の舞踏」という曲を作りました。音楽も詩も、自然からインスピレーションを受けて作られているから、ドビュッシーやリストが優れた絵画から音楽を聞いたように、人はいい音楽から自然を感じることができると思います。

「〜鳥も湖も森も、人間よりずっと前からこの世に存在していると思うと、私は生きるものすべてに尊敬の念を持ちます。自分も自然の一部だという感覚があり、自然とともに生きているから、鳥のさえずりも音楽になってしまうんです。」これは作曲家のグリーグの言葉ですが、深く共感。先日観たホドラーの絵も、自然を畏敬する美意識でもって描かれていました。題材は、彼の故郷スイスの湖や山が多く、どの絵にも光が溢れ、空気は澄み切っており、じっと観ていると「宇宙のリズム」みたいなものの存在を強く感じました。太陽系に生きている みたいな感じ。「白鳥のレマン湖とモンブラン」。すごい絵でした。移ろう四季。。。潮の満ち引き。。。昼と夜。。。。生と死。。。リズムを描く波紋……。色彩は、形態と結びつくことでより強く際立ち、交代と反復から生じるリズムを規定するのです。
 
6、日本的霊性
私の小さいバックには、よく鈴木大拙の文庫本「日本的霊性」が入っています。「人間は、大地において、自然と人間の交錯を経験する。人間は、その力を大地に加えて農作物の収穫に努め、大地は、人間の力に応じてこれを助ける。……大地は詐らぬ。欺かぬ。またごまかされぬ。」
私はお能が好きで、時折、観劇に行きますが、ある時、能楽の「すり足」を見ていて思ったこと。流刑後、農夫として過ごした親鸞が、田んぼを耕していて、「深く地中に食い込む自分の脚、その素足の足の裏から、大地から送られる巨大な野生の力、無尽蔵の生と贈与の力が流れ込んでくるのを経験した。」と書いていますが、この覚醒…。私も演奏をしている時、これとまったく同じことを感じることがあります。剣道や茶道、俳句など、日本文化の背後には、禅思想という深い川が脈々と流れていますが、私の身体、DNAにもこの感覚が深く刻まれていることを、私もこうして体感しています。日本的霊性。私が生涯をかけて学んでいるのは、西洋音楽ですが、東洋思想が身体に満ちていること、日本的霊性を持っていることを、誇りに思っていますし、大きな武器とも考えています。
 
あらゆるものが、そこに至るまでの因縁の結果として存在すると考える仏教の概念、縁起。輪廻転生、業、諸行無常の概念と日常の営みへの自覚。ふるさとの大地に教えを乞い、その大地からインスピレーションをもらって演奏ができることに感謝し、この故郷でこんな私をずっと応援し見守ってくださっている皆様に感謝して、これでお話を終えたいと思います。本日はご清聴ありがとうございました。
 












 
06:14 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
「あすなろコンサート」「あやうた音楽祭」が終わりました!
「第17回あすなろコンサート2015.1.31」、「第18回あやうた音楽祭 2015.2.15」が、いずれも成功裏に終わりました。

私は、どちらも、ソロの演奏と、オペレッタのピアノと、両方務めさせていただく大役に預かりました。

年々人気の高まる「こんぴらコーラスグループ」による「あすなろコンサート」は、満員御礼。大勢の立ち見のお客様に熱く涌く大盛況の会場で、

金比羅らしく、澄んだの音をきっかけに幕が開き、今回の演目、狂言がもとになっている「桶山伏」が上演されました。ツケが頭で威勢良く打たれ、何とも華やか。粋で愉快なオペレッタに、お客様は大喝采。

とにかく大盛り上がりです。舞台の上も、会場も。

つくづく、こんなにすごいコンサートって日本中探してもないんじゃないだろうか。

一度訪れた人は、絶対にもう一度来てしまうというのが頷けます。

この華やかさ、この熱狂、この一体感。とにかく楽しいのです。

このクオリティの高さは、素晴らしい指導者に率いられ、皆で一丸となって懸命に稽古してきた証。スタッフの皆さんも共に、それぞれに多忙な役職や地位を持っていらっしゃるのに、趣味の域を遥かに超えた練習量をこなしつつ、楽しくコンサートの日に向かってこられるのです。

これだけやったら、自ずと結果は…。もちろん、大成功のうちに結実。そして、ますます固い絆に結ばれ、上昇気流に乗って迎えた「あやうた音楽祭」への参加。香川県下のコーラスグループや吹奏楽団が参加するハートフルな音楽祭は、今回が第18回目。

私はソロで「特別出演」という、過分な待遇を持って迎えていただきました。

当日、私は大忙し。参加者は、主催者から割り当てられた時間配分に添ってリハーサルを行うのですが、オペレッタのステージリハーサルが終わったら、5分後にソロのリハーサル、10分後にオペレッタのホールリハーサルが終わったら、すぐにソロのリハーサルへと、走り回っておりました。
お弁当も2種類頂いて、2つとも食べました、というのはウソですけど、このように、めまぐるしかったスケジュールは、主催者の皆様からの細やかなサポートを頂きながらこなすことができ、穏やかな気持ちでのぞめた舞台。

本番、独りステージ中央に立った時、あまりにもあたたかい空気に驚きました。あぁ、いい音楽祭なんだなぁ…と肌で実感し、
弾き始めると、心から音楽を愉しもうとするエネルギーがどんどん客席から伝わって来て、すると、インスピレーションが泉のように湧き始め、……、

私はその日、きっと世界一最高に幸せなピアニストでした。



アンコールの後、あやうた幼稚園の可愛い園児からのお花はUberraschung!(ユーバーラッシュング)


こんぴらコーラスグループは、もちろん大きな喝采を浴び、ますますファンを獲得。大好きな皆さんとご一緒できた、2回に渡る素晴らしい機会に心から感謝して…。心からありがとうございました。



 
                                         Photo by Hiromichi Taki.









 
12:29 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂
「ホドラー展」と「ヒカリ展」その2
1930年竣工の国立科学博物館。古く趣のある建物に一歩足を踏み入れると、天井には大好きな小川三知のステンドグラス。…と見上げたら、ステンドグラスを背に、巨大なホッキョクグマやトナカイ、ヒグマ!

なんで、こんなところにホッキョクグマが?驚いたのと、あまりの迫力に、しばし呆然。
これは、ハワイの実業家、Watson T.ヨシモトによる世界的規模の大型哺乳類剥製標本群の特別展でした。
1960年頃のクラインバーガー社(Seattle)の優れた技術によって作られた剥製たちは、まるで生きているようです。

顔には血管が浮き出、濡れたような鼻は黒く光り、艶やかな毛並みの下に隆起するたおやかな筋肉。今にも動き出しそう。
ガゼルとか、こんなに大きいの?バッファローや、ヒグマ、バイソン。TVや図鑑などでしか見たことのない動物たちが、至近距離からこっちをジッと見ています。
私はいつしか、アフリカやアラスカに旅をしていました。これらの美しい動物たちが雄大な大平原を駆けるのを見、風を感じました。
動物たちの嘶く声を遠くに聞きながら、「ヒカリ展」へ。
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草は緑色だけど、なぜ緑色に見えるの?虹が七色に見えるのはなぜ?あのオーロラっていったい?

入館してすぐ、これらのことを何も説明できない自分に突き当たりました。
強い焦燥感を覚え、展示のパネルやガイダンスなどを必死に読み、メモを取りながら進みました。

1、「光は、宇宙から届いている。」
私たちは、物体が光に反射しているものを見ている。光の粒に太陽が当たり、屈折している? どういう意味?
なんと、光の一部が吸収され、残りの光が反射し、それが物質の色として、私たちの目に映っているのだそうです。(←「当たり前じゃんか。」と言わないで。)

太陽の活動状況のレポートも見ました。オーロラ、それは、太陽から放出された風が、地球の磁気圏に入って、何かの理由で急速に大気へ降下した時、大気中のイオンや電子や原子と衝突し、発光する現象だそうなんです。これが美しく神秘的なオーロラの秘密。(←「秘密でもないし。」と言わないで。)
でも、その太陽からの風が、どんなきっかけで急降下するのかとか、まだわかっていないことも多いとか。。
3Dオーロラシアターで一人、面白い3D眼鏡を掛けながら、
こういうのを一生をかけて研究したら、毎日ワクワクして、きっとものすごく楽しいだろうなぁと考えました。

と、館内にアナウンスが。
「太陽風速度は低速な300Km/s前後へ緩やかに上昇しましたが、地磁気活動は静穏でした。今後とも静穏な状態が続くでしょう。」おそらく何年後かには放送され、私たちも普通に聞くであろう「宇宙天気予報」でした。

科学博物館は、知識の泉!夢があって、楽しくて、嬉しくてゾクゾクしながら進みました。

2、「光る鉱物や生物」
あぁ、なんて美しい世界がそこにあったでしょう。
夏に観た「リング展」のダイヤモンドたちを思い出していました。年月を経た天然の石に宿る魔力のようなものに魅了され、吸い込まれそうになったあの感覚。ルビー、オパール、方解石などの鉱物や、玉虫やオワンクラゲ、ホタルイカ、ヤコウタケなど蛍光生物が光る美しい空間で、自然界の神秘にすっかり魅せられてしまい、気がついたら、随分長いこと妖しく光る美しい蛍石をぼうっと見ていました。紫外線が当たることによって、そのエネルギーを可視光線のエネルギーに変えて光っている、ということも知りました。(←「そんなことも知らなかったのか。」と言わないで。)

3、「光は、波であり、粒である。〜アインシュタイン」
えっ?光って波なの?!
光は、電(磁)波という波の一種で、波の波紋、干渉と同じ性質を持っている。
波の山から山までの長さ「波長」(は、は、はちょう(波長)って、このことなんだ!)の違いによって色が変わり、
その波長の中に、人間は紫から赤まで見ることができるが、その先にも赤外線や電波や音、紫外線やX線、ガンマ線が存在している。レントゲン、CT、光の周波数帯を使った原子時計など、光の科学技術の推移を見て驚嘆し、ふと思い当たりました。

音こそ、波。
ヨーロッパには、医者や科学者と兼業している音楽家が多く、例えば、C・ツィメルマン(Pianist)も音響学に精通していると聞いたことがあります。ホドラーも、光の波のことを知っていたから、あの絵が描けたのではないだろうかと思いました。
波の波紋と同じ、光の波、音の波。
澄み切った空気に煌く朝日、湖面に反射するプリズム。透明な光に輝く連山。光溢れるホドラーの絵には、確かに宇宙のリズムが存在していました。「色彩の豊穣さ、明暗の染み、コントラスト、色調のグラデーションと調和、これらすべては光の賜物である。〜Hodler」
やっぱり、キーワードは光だった。

私も、光の粒を紡ぎ、光る音の波を作っていきたい。


田村ピアノ学校の皆さんと、
「音楽の都、ウィーンやザルツブルグ、パリやドイツを周る旅」も素敵だけど、
「音楽の根源を学ぶ、上野の美術館、博物館を周る旅」ができたら楽しいだろうなぁ。。

皆さん、きっと大喜びなさるだろうなぁ。。













 
10:28 | 日々のこと | - | - | author : ピアニスト 田村真穂